御影堂(みえどう)の西院文庫に納められた文書は、先例を調べるため、裁判で証拠として提出するためなど、使う必要があって持ち出されることがあります。文書を持ち出そうとする人は「西院文書出納帳」という帳簿に名前を書く必要がありました。これを見ると500年以上も前に誰がどんな文書を持ち出したかということがわかります。
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禁遅刻欠席。評定のルール
東寺の中に成立した僧侶の組織は、それぞれ自治的な運営をしていて、重要なことがらはすべて評定(ひょうじょう)という会議で決めていました。百合文書からは、組織の主要メンバーである供僧(くそう)たちが評定に臨む姿をみることができます。
Continue reading 禁遅刻欠席。評定のルール500年前の文書も…中世東寺の文書管理
上の文書は、室町時代の中ごろ、応永9(1402)年に修理する文書を宝蔵から取り出したときの記録です。6通と1結の文書が取り出されていて、そのなかには「聖宝別当補任官符」が含まれていました。聖宝(しょうぼう。醍醐寺を開いた僧です)が東寺の凡僧別当に補任されたのは延喜2(902)年のことですので、室町時代に500年も前の文書がきちんと残されていたことがわかります。さらに、将来のためそれを修理しようともしていたのです。