古文書の封式―切封墨引の古文書を作ってみましょう(デジタルアーカイブ利活用の実例)―

古文書の写真や原本を見ていると、なぜそういったかたちなのか疑問に思うことが時々あります。

紙の使い方や封の仕方もその一つですが、そうしたことは活字化された史料や古文書の解説書を読んだだけではなかなか理解できません。

たとえば中世の書札様文書の封式として最も一般的な「切封(きりふう)」について、『国史大辞典』では次のように説明されています。

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荘園フィールドワークのすすめ ②桂川コース

前回、当館所蔵の東寺百合文書が元々所蔵されていた東寺を巡るコースを紹介しました。(荘園フィールドワークのすすめ①
2つ目のプランを紹介する前に、見ていただきたい古文書があります。

ツ函341号  山城国桂川用水差図案
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200ヵ所もの寄進地

再読!92歳上島有(うえじまたもつ)さんの東寺百合秘話 (14),
「京都新聞」2016年12月9日付26面記事を転載

前回は、1100年前の七条令解にみえる左京七条一坊十五町西一行北四五六七門(現京都市下京区櫛笥通花屋町下ル)の土地が次々に転売され、 500年後の1396(応永3)年に、東寺に寄進されてようやく安住できたことをお話ししました。

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荘園フィールドワークのすすめ ①東寺コース

2020年はなかなか外出するのが躊躇われる1年でした。
また2021年も外出を控えなければならない状況にあるかと思います。家族や友人に会いたい!〇〇に行きたい!などいろいろ思いは募りますが、今回は「荘園フィールドワークのすすめ」と題しまして、当館が所在する京都市、その市内で行ける昔の荘園があった場所・荘園名が残っている場所をお散歩してみよう!というプランを2つ立ててみました。
また再び自由に外出できるようになったら、京都にお越しの際にぜひ散策してみてください♪

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蓋裏銘に同じもの無し

再読!92歳上島有(うえじまたもつ)さんの東寺百合秘話 (12),「京都新聞」2016年10月28日付26面記事を転載

東寺百合文書といいますと、まず注目されるのは、松雲公寄進の「百合」の桐箱だと思います。それだけではなく蓋裏銘も重要です。

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